きたはら さわこ
北原 佐和子
プロフィール
本名 北原 佐和子
生年月日 1964年3月19日(52歳)
出生地 埼玉県上福岡市(現:ふじみ野市)
身長 160 cm
血液型 A型
ジャンル 女優、歌手
活動期間 1981年 - 現在
活動内容 テレビドラマ・映画・舞台
事務所 オスカープロモーション→プレシャスライフ オフィスSawako
<家族のこと話そう>親の期待、窮屈だった 女優で介護福祉士・北原佐和子さん
2016年5月8日
両親にとって、私は理想的な子どもではなかったと思います。三人きょうだいの長女ですが、運動はだめで自転車にもなかなか乗れない。父は活発な男の子を望んでいたので、そんな娘を「情けない」と感じたことでしょう。
母も私に「頑張りなさい」と言いました。頑張っても何もできない自分がすごく悲しくて、居心地が悪かった。将来の仕事も、両親からは「警察官か看護師か体育教師」と言われ、視野の狭い厳しさが窮屈でした。
デビューしたのは高校二年の時でした。アイドルに憧れていたわけではないんです。早く家を出たいという一心でした。寮に入りましたが、さみしくはなかった。両親以外の大人が私を認めてくれるきっかけができて、将来への光が見えた気がしました。
女優の仕事は不規則。休みが長く続くこともあり、だんだん趣味だけでは満たされなくなりました。そんなとき、障害がある人から陶芸の皿を贈られて心が癒やされたり、ダウン症がある子どもと関わったりする経験ができました。私にも何かできないかと考え、ホームヘルパー二級の資格を取りました。
どこかの施設で働こうと、手当たり次第に電話して、都内の高齢者施設に勤めることになりました。そこで五年働き、その後グループホームなどにいて、今はデイサービスに行っています。月に二十日、勤務することもあります。
介護職は利用者をサポートする仕事。スタッフに支えられる女優とは正反対のようですが、介護も女優も人物を掘り下げて理解するのは同じ。
ファンや利用者が喜ぶ顔が見たいと必死になるのも一緒です。女優の仕事で学んだことを介護に生かせています。例えば、舞台で会話が聞こえているのに、聞いていないふりをする芝居に困り、演出家から「舞台で消えればいい」と教えられたことがありました。その経験から、排せつをお世話するときは、トイレの壁になったつもりで気配を消しています。
妹に介護の仕事をしたいと打ち明けた時に「お姉ちゃんにはできない」と言われました。妹は両親の期待に応えて看護師になったので、介護の大変さが分かるのでしょう。でもそう言われたのが悔しくて、それが仕事を続ける原動力になったのかな。今は十月にあるケアマネジャーの試験に向けて勉強中です。
父と母は健在です。いざというときは、私が世話する覚悟です。施設で両親と同世代の人と接する時は、その人の娘になった気がして、喜んでくれることをしてあげたいと自然に思います。親との関係をうまく育めなかったから、介護の道に進んだのかなと思っています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201605/CK2016050802000172.html